2011年9月8日木曜日

署名

   

「脱原発を実現し、自然エネルギー中心の社会への転換を求める全国署名」
先日、第一次締め切りに向けて、お預かりした90名様分、確かに発送いたしました。

ご協力くださった皆さま、どうもありがとうございました!


店内でのこの署名集めについては、考えさせられることがいろいろとありました。
どなた様にもくつろいでいただくための場所で、社会的な思考や対話を求めること(発祥の地・フランスの本来のcaféは、むしろそういう役割が強かったと聞きますが)、いろんな考え方の方がおられていい場所で、態度表明を求める結果となってしまうこと、 何につけ「署名」というものには抵抗がある方もおられると思います。 気持ち、わかります。私も署名は呼びかけ人や内容を選びますし、デモ、みたいなものは苦手で不参加です。 (長良川の河口堰に反対する「反ダム・アクション」は例外的に楽しかったですが。)

調理の合い間をぬって、なるべく共通認識がありそうな方にお願いしながら、
時にはそこからもう一歩踏み出す勇気をふり絞ったり、絞れなかったり、 時に、摩擦を生じたり、不愉快な思いをさせてしまった方もおられたかもしれません。「安全神話」はこんなにも浸透しているのか・・・と暗澹たる気持ちになることもありました。でも、だからこそ話題に出していくことが大事なのかも、と思ったりしながら声掛けをさせていただきました。

私がすべきは意見の違う人と議論することではなく、賛同できる方の一筆をひとりでも多く頂戴して、届けること。 暮らしの中に訪れた、「NO」と言える唯一の場面を有効に使わせていただくこと。大事なのは行動。被災することなく、変わらぬ日常を送ることができている私たちにできる、ほんのささやかなことのひとつですが、
私にとって、お預かりした90名様の一筆一筆は、とてもとても重いものでした。

***

この署名用紙は「(刈羽原発のある)柏崎市に住む姉からの依頼で」とお客様が届けてくださいました。
原発立地の地元では、こういった署名活動ができるのは「しがらみ」の無い方たちだけなのだと。
実際、そこに家族や友人たちのシゴトがあるから。


でもね、現場の人がどんなに危険を背負ってがんばってくださっても 人間のすることに完璧は無いでしょぅ。
そして「想定外」のことが頻繁に起こる災害大国。

たった一度の事故で、はるか未来まで取り返しのつかない惨事になるその危険性と
引き換えにできるしあわせなんて、無いと思うなぁ。。。
あたりまえにふるさとで暮らし、家庭菜園して、海のもの・山のものをいただいて暮らす、
という自由さえ奪われてしまった方々の姿を、日々、テレビで観て涙する私たち。

あれは、いつ刈羽および上越、そして日本各地で起こってもおかしくないこと。
違うシゴトをつくろうよ。 違うエネルギーでまかなえる社会をつくろうよ。

***

制御でききれていないものを扱いながら、どうして安全ありきと言えるんだろう。

作り出されるのは電気だけじゃない。
放射性廃棄物も生み出され続けているにもかかわらず、
処理方法は確立されていないこと、
各原発での保管場所はほんの数年後にはいっぱいになってしまう見込みであること、
管理・運転・保管に今後もかかりつづける莫大な費用は当然私たちが税金で負担すること・・・
あんまり言われてないよね。。。
温暖化防止に本当に有効だと思っているのかな。
海水を温め続けている原発。おまけに放射能を薄めて混ぜ流し続け。もちろん大気にも。
「薄めて広げる、少しならOK作戦」、今の現地対応でも見られますが、ほんとにやめてください。

復興増税に関して、未来へのツケを残さないために、と政治家が言いましたが、
原発こそがまさに未来永劫にわたる、生存権さえ奪う可能性を持つ重い重いツケなのに。
そのツケを、これで打ち止めにする決断を、
原発のお陰で発展してきた時代の恩恵にあずかってきた私たちが
身を切ってでもしようよぅ。

クリーンエネルギーの先進国では、日本の技術が輸出され実用されているのだと
映画「ミツバチの羽音」で紹介されていました。
持ってんじゃん! と、妙な逆切れの心境でした。
これまで原発の開発推進に注いできたお金と頭脳を持ってすれば、
代替エネルギーで賄う社会だってきっと作れるよ!

要は国が国策として本気で取り組むかどうかなので、要望の声を上げつつ
私はニッポンの技術者と研究者と経済界の方々のかじ取り牽引に期待したい!

そこでこそ、がんばれニッポン☆ 




つい、長々と書いてしまいました。

読んで下さった皆さまありがとうです。

震災からまだ間も無かった頃、
今よりクリーンエネルギーに関する情報も知らなくて
「脱原発」を表明するためには「代替案」が無いと言えないと思っていました。
今も、そう思っている方がおられるかもしれません。
そんな方にはお伝えしたいです。
あの時、お客さまが私に言って下さったこと。

「一市民の自分たちは、NOと言うだけでいいんじゃないかなぁ」
「NO」の声を受けて代替案を考えるのは専門家たちのシゴト。

そっかあ!!
私はすごく肩が軽くなりました。

「ヤなもんはヤ」でいいんです。

今ある原発だって、私たちは
よく知った上でOKサインをしてお願いしたわけでないのですから。
(立地地域では過疎を逆手にいろんな策が取られたと思いますが)


悩みながら話題にする中で
皆様からいろんなことを教えていただきます。
ありがとうございます☆