2011年5月2日月曜日

長岡/mu-anさん

帰省の折に②

時間押し気味になり、今回は断念かとも思ったのですが
「tanne」の嶋田さんのひと言に背中を押され

かねてより伺いたかった「ギャラリー・mu-an」さんへ


それは物語に出てくる魔法のようでした
何も使わず、するりと扉を開く魔法



出会った作品に、
その作品と作家について語るギャラリーのあるじ・立見迪子さんに、


あたたかくも的確な厳しさを持った言葉のひとつひとつに、
秘密のカギは勝手に開いて

しまいこんだはずの張りつめたブルー あえなく決壊



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私の身の上話などしたわけでは決してなく
例えば、いくのさんの唄声がいつも私のこころの琴線を揺さぶるように

立見さんとは何を話しても、きっと泣いてしまうのだと思いました

テラスにあった彫塑作品が気になってお尋ねしたら
2月に展示されていたという荻野弘一さんの作品
「はてしなきひと」の話をして下さり

涙腺ゆらり 


隣室にあった同じく荻野さんの作品「四ツ足」と「ひと」の話で再び

景色ゆらゆら

カウンターに座った時から気になっていた、あかり灯る作品

しょうこちゃん」の作、と教えていただき

見せて下さった彼女の作品集『diary』に
内なる声が「コレ」と主張


わかっていますよ


でももう目は目の役目を果たしてくれなくて
ぽろぽろと溢れるのを止められず
ただ、立見さんが発する言葉の響きに揺れていました


ゆっくりと、囁くような話し方、
展示の会期を終えても残される作品たち、
それらは全て 「祈り」 なのかもしれません


いつも 誰の上にも ひとしく注がれる

愛に満ちた祈り

それがこころの奥底で
なにかをほどくのかもしれません




先頃、お客様・橋本さんからいただいた立見迪子さんの詩集 
ご本人にお会いしてから再び読み返したくて


お会いできてよかったです
おもいがけない出会いがたくさんありました

***

『おもいがけない贈り物』
たびのそら屋のカウンターか窓辺の本棚にございます

もしかしたらおもいがけない所にも



◆追記◆
後日、「しょうこちゃん」が
「平野照子さん」のことだと知った時の日記 ↓