2011年5月17日火曜日

村山陽 作品展 「やぁ ふるさと」



妙高山を描く画家多しと言えど
私の中のいちばんは断然、村山陽せんせい。
せんせいが描くものは、どのモチーフも素敵です。
爽やかに、風薫り、その空にはばたいていけそうな・・・

妙高山のある風景や雪景色はやはり印象的ですが
今回は高田の桜を描いた作品も多く並び、とても華やいだ会場でした。


今日も感度はバッチリで、折しも、せんせい在廊中。

他に御来客も無いタイミング。いろいろと伺うことができました。

入り口、入って右手には、先月の80歳の誕生日に描かれたという一枚。
満開で快晴の素晴らしい日だったことが、ありありと描かれていました。
けれど、その作品にご自身は満足しておられず
「80になっても迷っております」と
おっしゃいました。

ようやくせんせいの半分まできた私。
まだまだ迷っていくのですね。

もしかして
「迷う」というのは
何かを創ろうとするひとの、特権的「愉しみごと」でしょうか。
そう思えるくらい
せんせいはむしろ、嬉しそうでした。



私自身は残念ながら村山陽先生の生徒だったことはないのですが
せんせいが高田高校在任時、母が3年生に在籍だったとか(今も覚えて下さっていてビックリ!)
父が元同僚であったというご縁があって
敬意とともに、親しみを抱かせていただいています。

思えば今、私が上越・高田に在ること、
その理由の一端は、陽せんせいの絵にあったりもします。

小さい頃に親しんだ「村山陽・画、杉みきこ・文」の物語。
そこに描かれた雪の町の風景や、雪の屋根から見える世界

妙高山の噴火を止めた「大ワシ・かがり」
「池の平」と思わせる「なんにも平」の「こだまたち」・・・
杉せんせいの引き込まれる文章に、陽せんせいの躍動感溢れる挿絵
その世界こそが、私をこの雪国に帰ってこさせた郷愁の源で
妙高山の見えるこの町に暮らしたいと思わせてくれた
原風景です。

「やぁ ふるさと」
そんな想いで、私も拝見させていただきました。

***

上の写真の3冊、子どものころから繰り返し読んだ本の一部です。
窓辺にございます。どうぞご覧下さい。


「ギャラリー祥」さんにて、5月19日(木)まで
上越市本町5丁目ちもとビル
025-522-8778